まぁ、アメリカの宗教右派(おもに福音派)のベーシックな知識を教えてくれる本なんだが・・・
気になるものが1つあった。
この本では「Baptist」という語に「バプチスト」という語を与えている。「バプティスト」でも「バプテスト」でもない。「バプチスト」である。
この手の研究書なら英語の発音に近く「バプティスト」と表記するのが普通だし、日本のBaptist系の教派は軒並み「バプテスト」の表記を用いる。
このことでもそうなんだが、どうも「キリスト教を研究する側」と「キリスト教界の中にいる側(ワタシはコレを「教゛界」と呼ぶ)」とで用語の統一がなされていない。
実は、旧文部省が『学術用語集』を作った事があったが、
その中に「キリスト教学編」というのがあった。
今ではオンラインで調べることが可能である。
http://sciterm.nii.ac.jp/cgi-bin/reference.cgi
実は上記の本でも『学術用語集』を参照にしているのだが、『学術用語集』でも「Baptist」は「バプテスト」である。著者には、犬養道子がカトリックをわざと「カトリク」とするように、何かこだわりでもあるのだろうか?。
バプテストばかりではない。「Methodist」は学術書だと「メソディスト」、教゛界だと「メソジスト」だったりする。
つまり、「教゛界」というのが内輪の人間は気づいていないものの、実は閉ざされた世界であって、それを外部の人間が知りたくてもなかなか公開されない世界なのだ、ということなのかもしれない。「教界」だけではなく、個々の「教会」のレベルでもそうなのだろうと思う。
教会は敷居が高い、とクリスチャンじゃ無い人によく言われるが、
教会の中で何が行われているかをクリスチャンは表に出してこなかったんじゃないかと思う。
別に秘密結社とか、秘儀を行う怪しい宗教※では無いのだから、どんどん情報公開はすべきだと思う。
※ここでは「聖餐式の秘儀性」については問題にはしない。