2008年09月16日

『聖☆おにいさん』に見るイエス(1)





巷で話題となっている、『聖☆おにいさん』。
現在2巻まで出ておりますが・・・。

まず始めに断っておきますが、ワタシは日本人によく見られる、どの道を登っても同じ頂上にたどり着けるような宗教観は持っておりません。どうしても一神教であるところのキリスト教というものに惹かれているわけでして、ブッダとイエスが同居する様な世界観の中にはいないのであります。
ただ、このマンガを「神(や仏)への冒涜だ」と叫んだところで日本人の大半が理解するかどうかは困難であり、「立川在住」であるワタシにとって、ご両人(笑)に妙な親近感も覚えてしまうゆえ・・・。

一応、ブッダとイエスが天上からバカンスのために降りてきて、立川のしがないアパートで生活する様を描くギャグマンガなのですが・・・。

ブッダとイエスは、ブッダが手作りでプリントするユニークなTシャツを着て(冬はセーター)いるわけなのですが、Tシャツのネタは仏典やキリスト教の文書に出てくる表現をネタにしており、典拠を探るだけでも面白いのです。
残念ながら、仏典には疎いのですが、イエスのTシャツの表現はキリスト教についてかなり勉強しないと理解できないレベルなのに驚きました。

第1巻をひらくと目に留まるカラーページでは、蓮の花の上で、
「仏顔×3」と書かれたTシャツを着たブッダと、
「ヨシュア」と書かれたTシャツを着たイエス
が描かれていますが、「ヨシュア」がイエスのヘブライ語読みであるということに気づく人はそう多くないと思われます。
ちなみにヨシュア(イェシュア又はイエホーシュア、「ヤハウェは救い」の意味)のギリシア語形が「イエスース(イエスス)」であり、旧約聖書の「ヨシュア記」のヨシュアのように、何も特別な名前ではありませんでした。
また、新共同訳の『旧約聖書続編*』の「シラ書[集会の書]」には、
わたしの祖父イエススは・・・(序章7-10)とあり、まとめたのは「イエスス」という人の孫であったことが分かります。

*旧約聖書続編・・・ヘブライ語の聖書がギリシア語に訳された「70人訳聖書」の中で、ヘブライ語原典には無いいくつかの書が追加されたが、この"いくつかの書"が「外典」としてカトリックや正教会で使用されてきたが、プロテスタントでは使用を認めなかった。カトリックとプロテスタントの共通使用のために作られた「新共同訳」では、「外典」を認めるカトリックのために「旧約聖書続編」という名前で追加。もちろん、プロテスタント用に続編がないものを買い求めることも出来る。
ただし、旧約と新約の中間の時代のことが著されている「マカバイ記」などは聖書の歴史を学ぶ上では不可欠なものとされており、プロテスタントでも資料として手に入れる人は多いと思われる。なお、「シラ書」は旧約の「箴言」に通じるような格言集。

長くなりましたので続きはまた。

posted by とてくのん at 21:30| Comment(0) | TrackBack(0) | アート